香川県が3月に県立アリーナで行ったプロジェクションマッピング事業について、朝日新聞が、事業者の公募や審査などを担った事業実行委員会に対して関係文書の公開を求めたところ、21日付で一部が公開された。事業者の企画提案書や採択理由など大部分は「黒塗り」とされ、読み取れなかった。
事業は、県が3月13~15日に計8700万円の予算で実施。朝日新聞は、事業者の選考過程や事業費の妥当性などを検証する一環として、県に事務局を置く実行委に関連資料の公開を求めていた。
- 【関連記事】光に変わった8700万円 プロジェクションマッピングのコスパは?
実行委は、県の公式サイト上で誰もが閲覧できた公募の内容に関する書類はすべて公開した。だが、審査過程に関する書類は、事業者が提出した見積もりの詳細だけでなく、実行委員長である副知事以外の委員の名前など、多くを黒塗りとした。
県観光振興課によると、今回の公開は県の情報公開条例に基づくものではなく、実行委が任意で公開に応じたもの。公開や一部非公開の判断は、条例を準用したとした。
政策評価に詳しい南島和久・龍谷大学教授(公共政策学)は「公金が投入される以上、情報は最大限オープンにすべきだ」と指摘した上で、「事業者への配慮も一定必要だが、県民が検証できないのは、好ましくない」と話した。
■事業実行委員会が非公開とした主な項目
・実行委員会の委員
・不採択とした事業者名
・採択した事業者の担当者の役職名
・採択、不採択とした理由
・審査での各委員の採点結果や評価
・採択事業者の企画提案内容、具体的な見積もり内容、実績報告内容、費用請求の内容
・不採択事業者の企画提案書